連載「不登校・ひきこもりの家族が迎える5つの関門」vol.5
前号ではバイステックの原則2「クライエントの感情表現を大切にする」(意図的な感情表現)ことが大切で、そのためには原則3「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」(統制された情緒関与)が求められると述べました。
しかし、これは言うは易し、行うは難しで、親子であればさらに難しいかもしれません。
私もたくさんの失敗を重ねてきました。なぜ失敗したのか、今ならばわかります。それは相手に対する否定的な気持や感情はかならず伝わるものだからです。
「目は口ほどに物を言う」と言いますが、とりわけ不登校やひきこもっている人は、まわりから自分がどう見られてるかとても不安なので、全神経を集中していますから、なおさらです。
「親の会」や相談場面で、よく親御さんから「無理して学校へ行かなくていい」「無理して働かなくていい」と言っているのに、子どもはさっぱり元気にならないし、こちらへの態度はもとのままというお話をよくうかがいます。
しかし、くわしく状況をうかがうと、たしかに口ではそう言っても「そろそろ学校へ行けないだろうか」といった親の気持ちがオーラのように発しているように思います。
やっかいなのは、このいわば「学校オーラ」「働けオーラ」に親自身も気づいていないのです。
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