不登校新聞

549号 2021/3/1

無視、暴力、SNSでの悪口、経験者3名が語るいじめの昔と今

2021年03月01日 17:12 by kito-shin
2021年03月01日 17:12 by kito-shin

 文科省の最新の調査によると、小中高校で認知されたいじめは約61万件(19年度)と過去最多を更新し、6年連続で増加している。また今年1月には「大津いじめ自殺」をめぐる民事訴訟が結審した。今号では10代から30代の不登校経験者3名にご協力いただき、オンライン座談会を開催。経験者の語りから、学校におけるいじめについてあらためて考えたい。(司会・小熊広宣)

* * *

――本日は3名の不登校経験者にお集まりいただきました。まずは自己紹介からお願いします。

ゆら 高校1年生、16歳のゆらです。いじめがきっかけで、中学2年生のときに不登校をしました。

みか みかと申します。28歳です。小学校で養護教諭をしています。私がいじめを受けたのは小学6年生のときですので、当時を思い出しながらお話できればと思います。

とし 私は中学生のときにいじめを経験し、不登校になりました。高校中退後、10年ほどひきこもった経験もあります。年齢は37歳で、としと申します。

――ありがとうございます。つぎに、みなさんが経験されたいじめについて、お聞かせください。

ゆら 私の場合は部活内でのいじめでした。

 私が住んでいたのは小さな町で、転校生でもやってこないかぎり、保育園から中学卒業までメンバーが変わりません。小中と同じ部活に入っていたんですけど、小学5年生のころから部活内で無視をされたり、陰口を言われるようになりました。

 このときはまだ「いやがらせをされているな」という程度にしか考えていなかったんですが、中学に入って状況が変わりました。顧問や先輩に気にいられて、1年生でキャプテンを任されたんです。それから、いやがらせが過激になっていきました。LINEなどのSNS上で私の悪口が書き込まれるということもあったし、部活後の掃除を一人でやらされるということもありました。最初は耐えていたんですが、2年生の夏ごろには心も身体もズタズタになっていました。そこでやっと気づきました。「これはいやがらせじゃない、いじめだ」って。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「親子関係は?元気になったきっかけは?」3人の経験者が語る私の不登校とその後

625号 2024/5/1

「40代で人生2度目のひきこもり」ひきこもり経験者が語るふたたび動き出すまでの出来事と気持ち

624号 2024/4/15

「30歳を目前に焦っていた」就活失敗を機に大学生でひきこもった私が再び動き出すまでに取り組んだこと

623号 2024/4/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…