2022年11月11日、「超党派多様な学びを創る議員連盟」が発足し、都内で総会が開かれた。総会では前身の「超党派フリースクール等議員連盟」から名称の変更、規約の改正、新役員の選出のほか、関係団体らを招いた意見交換も行なわれた。新たな局面を迎えた動きを速報で報道する。※写真は浮島智子幹事長(左)、丹羽秀樹会長(右)(写真提供:フリースクール全国ネットワーク)
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「超党派多様な学びを創る議員連盟」が2022年11月11日、衆議院第一議員会館にて総会を開催した。前身の「超党派フリースクール等議員連盟」から、名称の変更、規約の改正、新役員の選出などをふまえ、議員連盟として仕切り直したかたちだ。新役員には、会長に丹羽秀樹衆議院議員(自由民主党)、幹事長に浮島智子衆議院議員(公明党)、事務局長に寺田学衆議院議員(立憲民主党)が選出された。
議連の取り組み
フリースクールに関する議員連盟が最初に発足したのは2008年5月29日、超党派による「フリースクール環境整備推進議員連盟」だ。子どもたちの学ぶ場のさらなる発展を支えることを目的に、フリースクールに在籍しながら高校に通う生徒への通学定期券の適用に取り組み、翌年に実現した。当初は30名を超す議員がいたものの、国政選挙の結果を受け、2013年9月末に解散した。
その後、2014年6月3日に「超党派フリースクール等議員連盟」が発足。フリースクールに通う子どもたちが学校教育の制度外にいることで生じる問題の解決および環境整備を目的に据えるなかで「夜間中学校等義務教育拡充議員連盟」と合同総会を開くなど、「教育機会確保法」の成立に取り組んできた。一方で、近年は役員の政界引退や県知事選出馬などにより、おもだった活動はなかった。
この流れを受けて発足した「超党派多様な学びを創る議員連盟」は、これまでとは異なり、名称にフリースクールの文字はない。今後の活動については「学校外で学んでいる子どもたちへの幅広い支援の拡充」に取り組むという。
関係団体の意見
総会では、不登校特例校として2021年4月に開校した岐阜市立草潤中学校の井上博詞校長、株式会社LITALICOの亀田徹執行役員が招かれ意見交換を行なった。さらには「フリースクール全国ネットワーク」「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」「登校拒否・不登校問題全国連絡会」「チア・にっぽん」ら4団体との意見交換も行なわれた。
「フリースクール全国ネットワーク」(江川和弥・中村尊共同代表)は、文科省による調査で不登校数が前年比24・9%増加という現状をふまえ▼教育機会確保法の周知▼学校外で学ぶ子どもたちの場づくりのための予算化および支援人材の育成▼不登校特例校を新設する際のフリースクールとの連携などを訴えた。
「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(中村みちよ共同代表)は、91・5%の子どもが自宅ですごしており子どもの学ぶ場の確保にはほど遠い現状であることなど、不登校の子を持つ親638人に行なった調査結果を報告。そのうえで、議員連盟に対し、①不登校の親への経済的支援の実状、②親の会情報の周知の実状、③親の会が行政と連携して不登校支援などを行なっている事例、の3点について質問書を提出した。(編集局・小熊広宣)
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