不登校新聞

605号 2023/7/1

7月18日より出願開始 不登校からの高卒認定 知っておきたい6つのポイント【全文公開】

2023年06月28日 17:40 by koguma
2023年06月28日 17:40 by koguma

 毎年夏と秋に実施されている「高等学校卒業程度認定試験」。合格することで、高校に通っていなかった人でも、大学や専門学校へ進学することができるようになります。今年2回目の高認の出願期間が7月18日から始まるなか、不登校からの高卒認定試験について、必要な事前準備や実際の受験において大事なポイントについて考えます。

* * *

 毎年2回実施されている「高等学校卒業程度認定試験」(以下、高認)。今年度2回目の試験の出願が7月18日より始まります。昨年度は合わせて1万7154人が受験し、全科目合格者は7961人でした。

 不登校経験者のなかにも、高認を受験し、専門学校や大学へ進学した人が多くいます。そこで今回は、不登校経験者の語り、学び直しの支援を行なう専門家の指摘をふまえ、不登校と高認における大事なポイントについて考えます。

高1で不登校 19歳で高認を

 高1の夏休み明けから不登校になったAさん。出席日数が足りずに留年したのち高校を中退、それから2年ほどひきこもります。Aさんが高認を受けたのは19歳のとき。「社会に戻るためには大学進学しかない」と思ったことがきっかけでした。

 東京でひとり暮らしをしながら塾通いを始めたAさんは「勉強がまったく手につかない」という壁にぶつかります。かつて優等生だった自分と現在の自分、大学へ進学している同級生と高認の試験問題さえ解けない自分。さまざまな比較をするなかで「自分だけ取り残されたような感覚だった」とAさんはふり返ります。その後、高認を取得したAさんは21歳で大学に進学。いくつかの会社を経て、教育関係の会社に勤めます。

 高認を考えている不登校経験者と周囲の大人に伝えたいことがあるとAさんは言います。それは「エネルギーをためる時間を大事にすること」。勉強する内容ではなく、勉強するスタートラインに立つまでに苦労したAさんは「勉強したいという気持ちが湧きあがってこない自分を責めないでほしい。動き出すためのエネルギーがたまっていないだけで、あなたが悪いわけじゃない」と語ります。

高認の受験で注意すべきこと

 キズキ共育塾で学び直しの支援に取り組む半村進さんは「高認を受験するうえで大事なポイントが6つある」と指摘します。

 1つめは「出願期間」です。7月18日から始まる出願の場合、試験日は11月4日~5日ですが、出願締め切りは9月8日です。

 2つめは「高校在籍者も受験できる」ということ。進級や卒業に不安を感じたら、とりあえず高認に出願しておくということもできます。

 3つめは「選択科目」。高認は6教科14科目からなり、必修科目と選択科目があります。たとえば、「日本史A」と「日本史B」で迷った場合には「出題範囲の狭いAを選ぶとよい」と半村さんは指摘します。

 4つめは「試験範囲」。高認では「高2や高3の範囲はほぼ出題されない」ということを知っておくだけでも心理的な負担感が軽くなると指摘します。

 5つめは「合格に必要な点数」について。高認は全科目100点満点ですが、各科目40点を取れば合格とされています。「100点を取らなければいけない」と高いハードルを設定する必要はありません。

 6つめは「何度でも受験できる」ということ。高認は1度に全科目で合格しなければいけないわけではありません。1回目は1科目だけ、次回以降で残りの科目を、と分けて受験することが可能であり、受かった科目を再受験する必要はありません。

 不登校をした子どものなかには「人生が詰んでしまった」と考える子がいます。現在では、不登校の子どもを対象とした通信制高校や定時制高校も増えていますが、学校へ通わずとも、その後の進路につなげていく方法として「高認」があり、実際に不登校経験者がその道を歩んでいるということを知っていただきたいと思います。(編集局・小熊広宣)

高認日程(令和5年度第2回)

【出願期間】
7月18日~9月8日
※9月8日の消印有効

【試験日】
11月4日、11月5日

【結果通知】
12月5日(火)発送予定

【文科省HP】

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