
東京都町田市が10月23日、「不登校の未然防止のための対応マニュアル(改訂版)」を市内の全教員約1700人に配布した。
従来のマニュアルでは3日連続で学校を欠席すると、不登校になる可能性がないかを探るよう求めていたが、改訂版では1日の欠席から対応をしていくことなどを盛り込んだ。
マニュアルによると、児童が欠席した場合は、「遅刻、早退が多くなかったか」「月曜日の欠席が多くないか」「一人ですごすことがないか」といった「心のサイン」が出ていなかったかを担任教員が児童生徒や保護者からの聞き取りも含めて調査。同日、学年主任、校長らに相談する。

欠席が2日間連続した場合は、家庭に電話連絡し、保護者、本人と会話をする。欠席が3日間連続した場合は、家庭訪問を行ない、担任、学年主任、養護教員、校長、スクールカウンセラーなどでケース会議を実施。同時に欠席連絡シートを市教委に報告する。また欠席が連続3日間以外にも「断続して7日間の欠席」がある場合も同様の対応を求めている。欠席が1週間以上、または月に6日以上の欠席があった場合は、学級担任を中心に指導方針、体制を確立し、1週間ごとに学年会で状況を確認するよう求めた。
マニュアルにはこのほか「中1ギャップ問題」の対応例や、「登校しぶり期」「不登校期」などの段階別対応例なども掲載している。
こうしたマニュアルは、学校や教員が学校復帰のみを考え、子どもの気持ちを無視した対応が起きかねるのではないか。その点について、町田市教育委員会は「マニュアルは、あくまで一人ひとりの子どもにきめ細かい対応を求めるためのモデルを示したもの」だと話している。(石井志昂)
■不登校当事者の話(13歳・女性)
学校からの電話はとても怖いです。小学4年生のとき、ママが学校と電話で話しをしましたが、私は布団をかぶって電話の声が聞こえないようにしていました。いまでも電話の音は怖くて、私の部屋では聞こえないようにしています。学校の先生が家に来るのも同じです。すごく不安になるし、家のなかがイライラして、緊張して、休めません。ぜひそういうことを知ってほしいです。
おすすめ記事
読者コメント