不登校新聞

229号 2007.11.1

論説 「永田裁判を読む」 多田元

2015年01月08日 14:25 by 匿名
2015年01月08日 14:25 by 匿名


 2007年9月26日、いわゆる「長田塾裁判」の控訴審で、名古屋高裁が原告の訴えを認める判決をだした。原告の逆転勝訴なったわけだが、その判決内容がどんなものであったのか、この点について、原告の代理人の多田元が執筆した。

  長田塾事件について、消滅時効を理由に原告の損害賠償請求を棄却した地裁判決を変更し、長田百合子氏と会社の共同不法行為責任を認める原告逆転勝訴とした名古屋高裁判決が確定した(本紙228号参照)。

 この事件の本質的な問題は、大人が子どもの意思や人格を無視して、力で支配する暴力であると言える。長田氏は裁判所に提出したみずからの陳述書で長田塾への入寮は「すべて親の希望です」と述べている。

 判決は、長田氏が母親から相談を受け、当時15歳のD君には面接もせず、事前に説明して希望を聴くこともせず入寮を決定し、若者1人とNHKスタッフを伴って、母親の案内でD君の部屋に侵入して約6時間もかけて説得し、同伴した若者が業を煮やして、「もう新幹線の時間だ。早くしろ。力ずくで連れて行くのか、自分で歩いて行くのか」と言い、D君は抵抗をあきらめ「自分で歩いていく」と入寮したとの事実を認定した。
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