不登校新聞

202号 2006.9.15

論説 “心の非暴力”を 森英俊

2015年12月22日 14:50 by 匿名
2015年12月22日 14:50 by 匿名


 「心の非暴力」というのは、マハトマ・ガンジーの言葉である。心の暴力をガンジーは、メンタルバイオレンスと英語で呼んだ。心の暴力は、まず言葉の暴力となって表れ、やがて肉体的な暴力となって人を傷つけることが多い。その根本は心のあり方にあるとガンジーは指摘した。

 ガンジーは「心の暴力には力はない。それは暴力的な思いを持っている人をさらに傷つけるだけだ」と語っている。そして「心の非暴力はそれとは逆であり、非暴力には世界が知らないような豊かな力がある」とも書き残している。

 近年、メンタルヘルスという言葉が流行している。メンタルヘルスとは、心の健康を意味する。心の健康に対して「心の病」という言葉もよく耳にする。心の病とは精神病ではなく、本来の医学的な疾病でもない。医学的な根拠に基づく疾病とはちがう概念と言える。人間が生きていく上で、悩んだり迷ったりする心の状態が、個別に深まった状態と言えるかもしれない。「心の病」というのは、人間社会が人為的に生み出したものではないか。

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