連載「仮説なんですが…」vol.26
王女役のオードリー・ヘプバーンが、つかのまの逃避行を満喫する映画『ローマの休日』には、ローマの観光もかねて、たくさんの広場が出てきます。スペイン広場、サンピエトロ広場、共和国広場……、映画は有名でも、なぜローマにそのような広場がたくさんあるのか、あまり気にする人はおられません。広場とは、もともとは交易する人たちが集まって、ものの売買や情報の交換をする場所でした。
私の提案は、そういう「広場」を10歳ごろ(小学4年生ごろ)からの「教室」につくるという提案です。そもそもの広場は「外」につながっているものですから、交易ができたわけです。教室のなかにみんなでつくる広場は「外部」に情報を伝えることができるという仕組みを持った広場です。
とくに、いじめの解消にこの広場をつくることを考えましたが、いじめから不登校がはじまる場合も多いわけですから、この広場づくりは閉鎖感のある状況にも風穴を開ける視点を与えてくれるのではないかと思っています。
「教室に広場を」という提案の要点は、教室に外部の親や公の法的機関(警察や家庭裁判所など)とつながる広場をつくるという提案です。そこは生徒の悩みや訴えを生徒たち自身が取り上げて、解決のための話し合いを持つ場です。
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