不登校新聞

497号 2019/1/1

「無言で散髪が終了」まさに不登校向けだった散髪屋とは

2018年12月25日 10:31 by kito-shin
2018年12月25日 10:31 by kito-shin



 「美容院が苦手」。「話かけられたら、なんて答えればいいかわからない」。これは不登校・ひきこもりの多くに共通する悩みだろう。内田直人さん(仮名)もそんな悩みを抱えるひとりだ。今回、内田さんはその悩みを解決するべく、1000円カットを初体験した。内田さんの体験記を掲載する。

 * * *

 僕は、散髪に対して悩みを抱えている。その悩みができたのは、高1から高3まで、3年間続いたひきこもりが終わってからだ。

 ひきこもっているときは外出をまったくしていなかったため、散髪なんてとても行けず、限界まで髪を伸ばし、ガマンできなくなったら母親に断髪式をお願いしていた。

 ひきこもりからなんとか抜け出して、少し外に出るようになってからは、自宅近くのおしゃれな美容室に行き始めたのだが、いつも行くのがつらかった。

 美容室での会話がダメなのだ。僕はコミュニケーション力がまったくない。

 これまでひきこもっていたため、よく聞かれる「最近、何してた?」「どこか行った?」などの質問にいつも言葉が詰まってしまうのだ。

 うそをつくこともできないし、黙りこんでその場をやりすごすこともできない。どうしたもんだろうかと、ずっと悩んでいたのだ。

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