前号に引き続き、2月16日、「登校拒否を考える会30周年の集い」で行なわれた親シンポジウムの抄録を掲載する。今号は高橋幸子さん(仮名)。高橋さんは、長女が不登校をした当初のとまどい、再登校への期待、進学する際の不安など、親の気持ちに関するお話を中心に語られた。
私には大学2年生で20歳になる長女、高校3年生で18歳になる2人の娘がいます。「登校拒否を考える会」に参加するようになったのは今から8年前、長女が中学2年生の5月でした。
きっかけはその1年前の1学期、中高一貫の女子校に通っていた長女が学校に行かなくなったんです。
昔から少しおっとりした子どもでしたが、毎朝の髪のお手入れに時間がかかるようになりました。何度もブラシで髪をとかし、結んではほどき、また結ぶ。結びの位置も細かく直す、というように。また、トイレの時間も長くなり、しだいに自分で起きてこなくなりました。最初は私が布団を引っぺがし、無理やり制服を着させ、夫が学校まで送っていたのですが、そのうち親が何をしても布団から出なくなりました。
突然のことで、私の気持ちも整理できません。「うちの子に何か変なものでも憑りついたんじゃないか」と思うほど混乱していました。夫とも毎朝ケンカする日々。いま思い出しても、1学期の間はグチャグチャな状態でした。
そんなとき、長女の同級生のお母さんから「登校拒否を考える会」を教えてもらいました。
インターネットですぐに調べ、毎月例会を開催していることは知っていたのですが、参加しようと思うまでには時間がかかりました。「2学期になったら学校に行くかもしれないし、そしたら不登校じゃなくなるから」という淡い期待を持っていたからです。会に参加するとなると、娘が不登校であることを認めるような気がしてしまって、なかなか足が向かなかったんですね。
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