不登校新聞

248号(2008.8.15)

映画評 「きみの友だち」

2014年08月21日 15:26 by 匿名
 淡々と静かに「喪失感」について描いた作品だと感じた。主人公である恵美は現在20歳。フリースクールでボランティアをしている。そこでの呼び名は「もこもこ先生」。物語は恵美が撮りためた幾枚かの写真をもとに過去を回想していくなかで進み、恵美とその周囲にある友情をキーワードにしたいくつかの人間模様が浮かびあがってくる。

 恵美がもう一人の主人公、由香と出会ったのは小学校4年生のとき。恵美は交通事故で片足の自由を失っており、由香は腎臓に難治性の病を抱えていた。2人とも健康な身体を失っていた。性格はちがえども生活のペースが合う2人はそれから5年間、いつもいっしょだった。足が不自由な恵美にとって雨は致命的だ。ある雨の朝、玄関をあけると由香の姿があった。
「うちで一番大きな傘を持ってきた――」。

 一方、病気がちで入退院を繰り返す由香は、ある病室に描かれた雲の絵が大好きで、「もこもこ雲」と呼んでいた。外出できない由香のため、恵美は雲の写真を撮り始めるようになる。

 印象的なシーンがある。由香の病状が悪化するなか、高校受験が近づいてきた。試験当日、恵美はいつも通り松葉杖を片手に玄関を出た。しかし、もうそこに由香の姿はない。
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