毎年8月上旬、文科省は「学校基本調査」の速報値を発表する。今年は8月7日だった。
不登校関係について言えば、2013年度の不登校児童生徒数は、11万9617人で、前年とは6928人、つまり約7000人の増加となった。最近では2006年をピークに減少していたこともあり一般紙の報道を見ても「6年ぶりに増加した」という趣旨の報道が大半を占めた。全児童生徒に占める割合をみても、小学校0・36%、中学校2・69%であり、小学校では0・06ポイント、中学校では0・14ポイント増えた。
なぜ7000人も増えたのかについては、いろいろな点が考えられるが、私は現場感覚とデータを合わせて次のように感じている。
2013年2月、法務省はいじめ・体罰が過去最多になったと発表。その後も、いじめに関する報道は相次ぐことになる。4月に神奈川でいじめを苦に自殺。6月に広島で中3女子がいじめを苦に自殺。6月に兵庫で遊びからいじめへ小5転落重症。7月に長崎で小6女子が飛び降り「いじめ要因の一つ」。8月に大阪で転落死ほか。9月に山口で中1男子転落重症。10月に埼玉で高2男子が鉄道自殺。11月に東京で、中3自殺いじめ認定、京都や山形でも自殺。そして12月には文科省はいじめ最多19万8000件(前年の2・8倍)と発表した。いじめが背景にある不登校も多かったと考えられ、現場感覚とも一致する。その間、「いじめ防止対策推進法」は7月に成立、11月に基本方針が策定されたが、歯止めにはなっていない。
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