連載「不登校の歴史」


 2010年も暮れようとする12月、茨城県で27歳の男性が、中高生14人らを刺傷する事件が起きた。その容疑者が、ひきこもっていたことから、ふたたび、ひきこもりに焦点が当たってくるという社会状況が生まれた。
 
 そんななか、2011年のお正月開けてまもなくの1月16日、ひきこもりに関する講演会が東京都北区で開催された。
 
 講師は「ひきこもり名人」と名乗る勝山実さんである。主催は「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」、それに「登校拒否を考える会」と「全国不登校新聞社」が協力して開催した。
 
 勝山さんは、2011年の8月『安心ひきこもりライフ』(太田出版)という著書を出版されるが、その半年以上前のこと。いまでこそ、ひきこもり業界(と言ってもいいなら)を代表する講演者として有名だが、当時は「知る人ぞ知る」というころだった。
 
 なにしろ、勝山さんは高校3年生から20年以上のひきこもりを続けている当事者である。1971年生まれだから、この講演時は40歳。すでにそのまえからブログによる発信、著書『ひきこもりカレンダー』(文春ネスコ)、本紙でもコラムでの登場など、当事者として発信をされていた。
 
 しかし、まだまだ大勢の前での講演を聞いた人は少なかった。


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