裁判所の礼状に基づく家庭への強制立ち入り調査、児童への接近禁止令など、児童相談所の権限を大幅に強化した児童虐待防止法改正案が衆院本会議で可決された。同法案は、今国会での成立が確実の見込みとなっている。虐待防止法の改正は3年ぶりで、施行は2008年4月1日となる予定。
令状による立ち入り調査は、保護者の抵抗などで家庭内の状況を確認できないケースを想定。都道府県知事が虐待の恐れがあると判断した場合、まず保護者に出頭を求めることができる。原則2度の出頭の要求に応じない場合、家庭裁判所か簡易裁判所に許可令状を請求できるとした。
これまでも強制力を伴わない立ち入り調査は可能で、保護者が正当な理由なく拒めば30万円以下の罰金が科せられていた。改正案では強制立ち入りも含め、拒否した場合の罰金を50万円以下とした。また強制的に保護した児童について、とくに必要があると認めるときは、保護者に対し、おおむね6カ月以内の期間、児童へのつきまといや学校や住居など周辺のはいかいを禁止する「接近禁止」を知事が命ずることができる。違反した場合は懲役1年以下か100万円以下の罰金が科せられる。
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