94年9月「ホームスクーリング・ホームエデュケーション・不登校について考える国際シンポジウム」を開催し、アメリカやイギリスの実施状況を、その話のなかから紹介してきた。
イギリスのポールさん夫妻は恋人時代から、子どもをどうやって育てよう、という話し合いをしてきた。学校に通わせるのではない方法を調べているうちに「ホームエデュケーションアザワイズ」にたどりついたという。
このシンポジウムの実施の準備として、イギリスの教育調査をかね渡英した私たちは、ポールさんの家にも泊めていただいた。
このときのホームエデュケーション家族のみなさんとの出会いは鮮烈で、日本の登校拒否の子どもをもつ家庭とのちがいを印象づけられ、日本で、もっとホームエデュケーションの考え方を広げる必要を肌身に感じたのだった。
というのは、ポールさん一家を含めて、20家庭くらいに出会ったと思うが、どの子どもも自分がホームエデュケーターであることに誇りを持っていた。また親も、自分の子がホームエデュケーションを選んだことにとても肯定的で、選択したことに自信を持っていた。イギリスでも学校に通う子どものほうが圧倒的に多い。ある家庭では「学校に通わせないで大丈夫か、もしかしてお金がないなら学費を出してやるよ」とおばあちゃんが心配して電話をかけてきた、ということがあったそうだが、イギリス家庭のなかでは、少数であっても、日本のようなひけめ、不安、苦しさなどはなく、明るく暮らしていた。
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