日本の社会は家の中で成長することを認めない社会である。しかし私たちは、子どもが家庭で育つことも成長の一つの方法だと考えていた。家で育つことをもっと肯定的に捉え、家庭で子どもは育たないという誤解と偏見が消えてほしい、学校やフリースクールに通わなくても、家で楽しく過ごすことができるのだということを多くの人に知ってほしい、そして、今家で過ごしている子どもたちが、安心して、家での生活を送ることができるようになるためには、ホームエデュケーションを広めることが肝要である、と考えた。
90年代前半になると、全国的に、フリースクールなどの学校以外の居場所が広がりつつあった。しかし、「フリースクールという子どもが家庭から出てきて通うところをつくっている団体が、なぜ家庭を中心にするホームエデュケーションをすすめるの?」と疑問の声をずいぶんいただいた。私はその疑問に「成長の多様性が保障される必要があるからよ」と答えた。
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