進学校である中高一貫校設立とセイフティネット的な役割を持つ定時制高校の統廃合。川崎市をはじめ全国的にこうした流れが強まっている。統廃合や中高一貫校設置が「教育格差の拡大につながる」と、川崎市で問題に取り組む「定時制高校を守る市民の会かわさき」の浅野栄子さんから寄稿があった。
川崎市では、「市立高等学校改革検討委員会」が設置され、中高一貫校の設置や定時制高校5校を最終的に3校にするなどの案が検討されている。これまで昨年11月から2月1日までに計4回の会議が持たれた。川崎市の高等学校のあり方について、とても大切な問題が議論されている。
再編までの流れ
川崎市立高校のあり方をめぐる現在の議論は、02年3月に川崎市教育委員会が定時制5校を2校に再編統合することなどを内容とする「川崎市立高等学校教育振興計画(以下振興計画)(案)」を公表したことから始まった。私たち「定時制高校を守る市民の会かわさき」では、通いやすさなど、今ある定時制高校のよさが失われぬよう、行き場を失う子どもを出さぬよう、市長や教育委員会へ申し入れを行なってきた。その結果、03年5月に振興計画(案)から「定時制高校5校を2校とする」部分の記述がなくなった。
しかし、新しい検討会の設置などで、中高一貫校の検討や定時制統廃合の動きは進み、昨年11月には「市立高等学校改革検討委員会」(以下・検討委員会)がはじまり、「市立高等学校改革推進計画素案」が示された。
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