不登校新聞

439号 2016/8/1

子どもが信頼を寄せる親の態度って? 精神科医・泉谷閑示さん講演録

2016年07月29日 14:52 by kito-shin



 2016年7月3日、横浜市で行なわれた講演会(主催・ヒッキーネット)の抄録を掲載する。講師の精神科医・泉谷閑示さんが不登校・ひきこもりに関する考えを語った。

 わが子の不登校・ひきこもりに悩む親御さんにまず伝えたいのは、「子どものことはわからない」ということです。わからなくていいんです。子どもだって他者なのだから、「わからない存在なのだ」ということをまず知る。次に、わからないからこそ、わが子を知ろうとする。そういう順番で考えていったらいいと思います。最初から「わかったつもり」になってしまうと、たいてい失敗してしまうものです。
 
 では、実際に子どもの気持ちがどういうものなのか。以前、僕が受けた相談を例にしながら、いっしょに考えていきましょう。
 
  不登校の子どもを持つお母さんからの相談です。不登校している本人は「学校に行きたい」と言っている。しかし、身体がついていかないようで、学校に近づくと気持ち悪くなってしまう。それでも「僕は行きたいんだ」と言って学校に行こうとする。親として、子どもの気持ちにできるだけ寄り添いたいと思っているが、どうすればいいのか、と。これはたいへんよくあるケースですね。この場合、親御さんが「無理しないで。学校に行かなくてもいいんだよ」と言っても、この状態の子どもは「僕は行きたいと言っているのに、なんでわかってくれないの」となってしまうでしょう。
 

頭は「~すべき」
心は「~したい」

 


 こうした子どもの気持ちを理解する一助として、上記の図を見てください。これが人間です。頭と身体と心があります。身体と心はつながっていて、絶対に矛盾しません。身体を見たら心がわかるし、心のありようは身体にそのまま表れます。しかし、頭と心のあいだには、フタがあって、頭がよくフタをしめます。そうすると、自分というひとつの存在がふたつに分かれてしまう。これこそ人間がさまざまに直面するややこしさの大元です。
 
 この子の場合、頭と心との間のフタがガッチリ閉じてしまっているんです。だから、このお子さんは自分の心を自分でキャッチできていない。自分の本当の気持ちが自分でわかっていないんです。
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