第3回JDECにシンポジストとして登壇したパット・モンゴメリーさんの講演抄録を掲載する。米オルタナティブ教育の先駆者として、子ども中心の教育を展開してきたパットさんが思うフリースクールでの学びの意とは。また、現代の子どもたちがおかれた状況における危機感など語った。
日本では一般的に「フリースクール」と呼ばれていますが、アメリカではそれ以外にさまざまな呼び方があります。オルタナティブスクール、イノベーティブスクール、ガバメントスクール、デモクラティックスクールなど、呼称だけではなく学びの活動もじつに多彩です。
そして、そこには共通する6つの考え方があります。「子どもは人間である」「子どもは尊重されるべき存在である」「すべての人が学べるように保障されなければならない」「学びというのは過程である」「子どもがすべての教育的過程のなかで中心に置かれるべきである」「学びの主体である子どもの能力や関心は、第一に尊重されるべきである」など、私がフリースクールやホームエデュケーションなどの実践を52年間続けてきたなかで重要だと感じていることとも重なっています。
子どもの学び"遊び”が大切
フリースクールの活動において、いくつか大切なことがあります。その一つが「失敗を保障する」ということです。たとえば、化学などの実験では結果を失敗と捉えることを前提としていません。しかし、失敗が思いもよらぬ予想外のすばらしい成果に結びつくということは少なくありません。一見すると失敗に見えることでも、じつは新しい解決法や知見をもたらす種になるということは周知の事実かと思います。
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