著者の夏苅郁子さんは児童精神科医ですが、その半生は順風満帆なものではありませんでした。家庭をかえりみない父、統合失調症の母。夏苅さん自身も学生時代にも壮絶ないじめを経験し、心の病にもかかります。そして、2度の自殺未遂。「人」により、とことんまで追いつめられてしまいます。
そんな夏苅さんを助けたのは、12の出会いでした。伯母、親友のほか、『わが家の母はビョーキです』の著者で漫画家の中村ユキさんとの出会いが、その都度、夏苅さんを救ってきました。本書は生きる意欲を少しずつ取り戻し、「人は、人を浴びて人になる」と実感できるまでの過程を書いた夏苅さんの自伝です。
本書のなかで、不登校にも通じる話だと感じた部分があります。
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