不登校新聞

466号 2017/9/15

困った子? 困っている子? 親の見方で変わる子どものその後

2017年09月14日 13:36 by koguma



 「9月1日の子どもの自殺」をめぐり、私にもいくつかの取材依頼が来ました。そのとき、聞かれて困るのが「子どものSOSを見逃さないために大人に何ができますか」という質問です。

 困る理由は2つあります。まずは、「子どもの気持ち」です。これまでの取材のなかで「学校に行きたくないというのが本音。だけど、親を困らせたくないと思ってなかなか言えなかった」という話を幾度も聞いてきました。親が思っている以上に、子どもは親のことを気にかけているんです。

 もう一つは「親の想い」。先日、「9月1日」にお子さんを亡くされた親御さんがインタビューのなかで、「わが子の苦しみになぜ気づいてあげられなかったのか」と、ご自身を責めておられました。それらを見聞きすればするほど、「子どものSOSを見逃さないで」なんて軽々しく言えないな、と思ってしまうんです。

チューニングを「うちの子」に

 では、何も伝えることがないのかと言えば、そうではありません。不登校の子どものまわりにいる大人にお願いしたいこと、それは「チューニングを子どもに合わせてほしい」ということです。

 昔のラジオを思い浮かべてください。銀色のアンテナをスッと伸ばし、AMかFMかを切り替え、好きな番組の周波数に合わせるというのが一般的です。

 そのとき大事なのが、FM「世間」ではなく、FM「うちの子」にチューニングを合わせるということ。FM「世間」からは「一度休んだら休みグセがつくかも」「多少のガマンは必要なんじゃないか」などの情報が流れてきて、親の想いを揺さぶってきます。そればかり聞いていると、次第に目の前にいるわが子が「困った子」に見えてきてしまいます。

 かたや、FM「うちの子」にチューニングを合わせると、子どもの本音が少しずつ聞こえてきます。ときには親として承服できない話も飛び出すかもしれませんが、それも含めて、ありのままの子どもの声です。目の前にいるわが子は何につらさを感じているのか。そこに触れられれば、「困った子」ではなく「困っている子」だと気づけます。

子どもの信頼、どうすれば?

 「困った子」か「困っている子」か。子どもをどう見るかによって、決定的に変わってくることがあります。それは「子どもからの信頼」です。「問題のある子だな」という目線で接してくる大人と「何かつらいことはない?」と気にかけてくれる大人がいた場合、どちらに本音が言いやすいかと言えば、言わずもがなではないでしょうか。

 1台のラジオで2つの番組を同時に聞くことはできません。であれば、優先的にチューニングを合わせるべきはFM「うちの子」ではないでしょうか。子どもの立場に立つということは、まずそういう姿勢を示すことなのだと、私は思います。(東京編集局・小熊広宣)

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