不登校新聞

507号 2019/6/1

中学生に直接聞いた不登校理由、国の調査と大きな隔たり

2019年05月29日 11:41 by kito-shin

 NHKは5月3日~9日、2018年度に「不登校」もしくは「不登校傾向」があった中学生1968人のアンケート調査結果を発表した(調査協力・LINEリサーチ)を実施した。

 1968人の内訳は「不登校」(年30日以上の欠席者)が378人▽「不登校傾向(教室外/部分登校)」(保健室など別室登校をしている者)が965人▽「不登校傾向(仮面登校)」(教室にはいるが、毎日通いたくないと思っている者)が625人だった。

 不登校の調査には、文科省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」がある。文科省調査では不登校の要因について、「本人」と「学校および家庭」に大別されており、回答するのはおもに学校の教員だ。

 今回のNHK調査は、文科省調査と比較もできるよう、質問項目等をそろえて実施。文科省調査とのちがいは、回答者が子どもであること。つまり、不登校の要因について、教員と子どもの認識のちがいを検証することが可能だ(上図参照)。

 なかでも顕著なのが「教員との関係」と「いじめ」だ。

 文科省調査において、「教員との関係」が不登校の要因として挙げられた割合は2・2%だったが、NHK調査では23%と、20ポイント以上の開きがある。

 また、「いじめ」についても、文科省調査では0・4%となっているが、NHK調査では21%だった。文科省が把握している以上に、
「教員との関係」や「いじめ」などを不登校の要因として挙げる子どもが多いことがわかる。

大きな開きは部活動や校則も

 そのほか、「部活動」18・3ポイント、「決まりや校則」17・5ポイント、「進路」15・1ポイント、「学業」14・2ポイントと、NHK調査の結果が文科省調査のそれを上まわった。

 一方、逆の結果が出ている項目もある。不登校の要因に「家庭」を挙げている割合は文科省調査では30・8%であるのに対し、NHK調査では21%と、文科省の調査結果を下まわった。

 なお、不登校の要因について「答えたくない」と回答した子どもは1%だった。(東京編集局・小熊広宣)

【MEMO】問題行動調査
 正式名は「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」。文科省が、今後の生徒指導上施策推進の参考とするために毎年実施。不登校のほか、暴力行為、いじめ、出席停止、高校中退、自殺などを集計。不登校は「問題行動」のひとつとして扱われてきたが、「教育機会確保法」や同省の通知により、16年度より「生徒指導上の諸課題」に位置づけが変わった。

関連記事

抗うつ剤の使用上注意に「自殺の恐れ」 厚労省が製薬会社に明記を指示

189号(2006.3.1)

暴力的な「ひきこもり支援」は違法 名古屋市で集会

189号(2006.3.1)

少年事件は1万人以上減 警察庁が発表

189号(2006.3.1)

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

522号 2020/1/15

ふつうの学生生活を送りたいと言われて親は何をすればいいのでしょうか。函館圏...

521号 2020/1/1

テレビや音楽活動で活躍するりゅうちぇるさん。学校で苦しんできた自身の経験を...

520号 2019/12/15

不登校経験はないものの、小学校から高校まで、ずっと学校生活に苦しんできたと...