連載「精神現象」
2005年のバレンタインデーに、大阪府寝屋川市の小学校で、教諭ら3人が包丁で刺され、うち1人が死亡する事件が起こった。刺したのは、この小学校を卒業した、当時17歳の少年だった。私の覚えにまちがいがなければ、少年は、小学校と中学校でいじめの被害にあい、不登校の期間が長かったと報道されていた。また、中学を卒業後まもなく大検に合格していて、彼に勉強を教えたのは姉だったはずだ。
少年は逆送され、一審では懲役12年の判決を受けた。そして、このたび下された二審判決は、一審を上回る懲役15年というものだった。
それにしても、どうしてバレンタインデーだったのか。私が重要と感じるこの疑問については、判決要旨のどこにも記されていない。ただ「被告人は、特定不能型の広汎性発達障害を有し、犯行当日に特殊な心理状態を生じさせていた」と、記されているのみだ。
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