不登校新聞

227号(2007.10.1)

論説 少年事件の“真実”とは 多田元

2015年01月22日 14:44 by 匿名
2015年01月22日 14:44 by 匿名


  犯罪、とりわけ重大な事件ほど、人々はなぜそのような事件が起こったのか真実を知りたいと考える。直接の被害者であれば、なおさら自分や家族がなぜ犯罪被害を受けたのか真実の解明を願うのは自然である。しかし、少年事件については、少年法が定める少年審判の非公開・非公表の原則が真実を知る壁になるという不満や批判がある。もちろん、非公開・非公表の原則は少年の成長、更生、社会復帰を保障すべき社会の責任として、少年のプライバシーを保護するのであって、真実を隠すためではない。

 そもそも犯罪もひとつの社会的出来事であり歴史的事実としてさまざまな側面をもち、唯一絶対の真実として目に見えるものではないから、公開される刑事裁判であっても、人々がそのような「真実」を見ることができるわけでもない。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

不登校新聞の創刊に至った9月の事件

193号(2006.5.1)

学校基本調査速報に見る、強まる投稿圧力 内田良子

201号 2006/9/1

論説 “心の非暴力”を 森英俊

202号 2006.9.15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…