犯罪、とりわけ重大な事件ほど、人々はなぜそのような事件が起こったのか真実を知りたいと考える。直接の被害者であれば、なおさら自分や家族がなぜ犯罪被害を受けたのか真実の解明を願うのは自然である。しかし、少年事件については、少年法が定める少年審判の非公開・非公表の原則が真実を知る壁になるという不満や批判がある。もちろん、非公開・非公表の原則は少年の成長、更生、社会復帰を保障すべき社会の責任として、少年のプライバシーを保護するのであって、真実を隠すためではない。
そもそも犯罪もひとつの社会的出来事であり歴史的事実としてさまざまな側面をもち、唯一絶対の真実として目に見えるものではないから、公開される刑事裁判であっても、人々がそのような「真実」を見ることができるわけでもない。
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