今回のインタビューは漫画家・田房永子さん。母親との関係で苦しんだ実体験を描いた『母がしんどい』などの作品は、子ども若者編集部でも話題になった。母娘関係をどう考えたらいいのか、お話をうかがった。(写真撮影 矢部朱希子)

――田房さん自身はお母さんとの関係はどうだったのでしょうか?
 私が母のことをつねに警戒しているという関係だったと思います。
 
 学校の自己紹介で「尊敬する人は母」と書いている人がいることにビックリして悩んでました。「私はどうして母を尊敬できないんだろう?」って。成人してからは、何をしでかすか分からない人だと、ハッキリ思うようになりました。


(C)『母がしんどい』(中経出版)
 
――具体的には?
 習い事も受験も母が決めました。服も母が選んだものしか着られなくて。納得できる説明は一切なし。
 一番イヤだったのは高校生のころ、校内の有志参加の旅行に行くと友だちと決めたのに無理矢理やめさせられたことですね。友だちが旅行の話をしているのを横で聞いているのがつらかったですよ(笑)。
 
 父は「われ関せず」でした。私と母がケンカしたときは自室から出てこない。
 
 20代になって家を出てからも頭のなかではいつも無意識に母のことを考えていました。外からはふつうに見えても、脳内は母に侵略されていましたね。

 

私の転機

 
――転機になったのは?

この記事は登録読者だけが閲覧可能な内容を含みます。続きを読むにはPublishers IDによる読者登録が必要です。