中学3年生時、不登校だった生徒の5年後を追った「不登校に関する実態調査」(以下・追跡調査)が発表された。
それによると、不登校をした者のうち、高校に進学した者が85%、現在、就業または就労している者は82%と多くのものが進学・就労していることがわかった。また、現在に至るまで受験や就労に関して「苦労はまったくなかった」と回答した者が46%で最多、かつて不登校であったことが現在の状態にマイナスの影響を与えているかについて聞いたところ「マイナスは感じていない」と答えた者が40.3%で最多になるなど、一般的な不登校へのマイナスイメージとは異なる結果が相次いだ。
不登校への捉え方を問うたインタビュー調査では、「肯定」32.6%、「中立」28.1%、「否定」39.4%という回答が得られた(調査官が回答を分類)。インタビュー調査をクロス集計したところ、現状に満足をしている回答者は、不登校を肯定的に捉え、現状に不満がある回答者は不登校を否定的にとらえる傾向にあったことから、不登校の捉え方は「現在の状況への満足度に関連する」と結論づけた。
また「支えとなるアドバイスをくれた人」を聞いたところ、最多が母親(60.1%/複数回答)。医療機関、相談機関、適応指導教室などが増えていくなか、やはり親が一番の支え手であることもうかがわれた。
「不登校に関する実態調査」は「不登校のその後」を追った追跡調査で、本格的な追跡調査としては今回で2度目(前回は93年に調査)。今回の調査は2006年当時、不登校をしていた中学3年生4万人を対象にアンケート、インタビュー調査を実施。アンケートは1604人から、インタビューは379人から有効回答を得ていた。
不登校をどう捉えているかについて、インタビュー調査の回答例は下記の通り
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