連載「あのとき、答えられなかった質問」vol.11

 「いつかは自立しなければいけませんか?」と聞かれれば、「自立するに越したことはないですが、焦る必要はないですよ」と答えます。
 
 以前、「パラサイトシングル」が話題になったように、ひきこもり界隈だけでなく、一般的にも「自立」についての議論はずっとありますね。ここでは社会的なことは置いといて、人はなぜ自立したいと思うのか(あるいは思わないのか)ということから考えたいと思います。
 

自立の契機は "逃げたい”

 
 私が自立したいと思ったのは、親の干渉から逃れて自由に暮らしたいというのと、世間のプレッシャー(世間体)から解放されたいという理由からでした。私が自分で自立できたと思ったのは、30代になって妻と小さなアパート暮らしを始めたときですが、そのときの解放感は忘れられません。私が子どもだったころは、ちょっと帰りが遅くなると「どうしたの?」と、ものすごく心配した顔で聞いてきたり、部屋で音楽を聴いているとやはり眉間にシワを寄せた顔で「音を小さくして」と言われたりもしました。さすがに口うるさく言われることは年齢とともに減りましたが、同じことを妻に言われても「ああそうか」と思うだけですが、母に言われるとしばらく気分が落ち込むんですよね。

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