不登校新聞

465号 2017/9/1

不登校と昼夜逆転、児童精神科医が教える「親にできること」

2018年01月29日 16:43 by koguma
2018年01月29日 16:43 by koguma

連載「児童精神科医に聞きました」vol.1

【質問】

 中学生の息子が今年のゴールデンウィーク明けから不登校になりました。当初から昼夜逆転が始まり、最近ではご飯を食べる時間もまばらで、お風呂にも入ろうとしません。学校に行かないのはまだよいとしても、生活習慣の乱れがどうしても気になります。ずっとこのままになりやしないかと心配です。子どもは何を思い、そうした行動をとるのでしょうか? 親として、どんな声掛けや対応をすればよいのでしょうか?

【回答】
 多くの人間は、24時間の周期に、無理やり合わせて生活しています。合わせるために、光による明るさが必要であることも、睡眠研究により、知られるようになりました。ただし、それは生物としての人間の話であって、心理―社会的な人間の話ではありません。

 つまり、いったん社会から撤収したいという心理が働いたときには、24時間の周期に合わせる必要は、なくなるのです。

 社会から撤収したいと子どもが思う理由は、さまざまです。たとえば、子ども自身は言葉でうまく表現できないけれども、ある種の食物や昆虫に対する重篤なアレルギー反応と同じで、学校に対して身体が拒絶反応を呈している場合があります。また、不登校は悪いものだという誤解を、周囲の大人や子ども自身が抱いていると、他人からの非難に満ちた視線を避けなければ、自分が深く傷ついてしまいます。

 さらに、けっして少ないとはいえない理由の一つは、いじめの被害にあっている場合ですが、その事実に周囲の大人はしばしば気づいていません。いずれの場合も、放置したままだと、生命にかかわる事態になりかねません。

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