連載「あのとき、答えられなかった質問」vol.15
「ひきこもり中はどんな支援を受けましたか?」と聞かれれば、「自助グループの参加がそれにあたります」と答えます。
神奈川のひきこもりの自助グループ「step」に最初に参加したのは30歳ごろだったと思います。それまでは母によって精神科や心療内科へ半ば強制的に行かされることはありましたが、自らの意思で行こうと思ったのは「step」が初めてでした。
緊張したが解放感も
当時はまだ家にパソコンがなかったので、ネットカフェで自助会のことを調べ、WEBメールのアカウントをつくってグループに参加希望のメールを出しました。公共施設の一室で行なわれていた会合に初めて参加するときはやはり少しドキドキしました。でもかんたんな自己紹介のあと、テーマトーク、休憩を挟んでフリートークへと進むにつれて緊張も解け、メンバーとも少し会話を交わせていました。そこで初めて自分のひきこもった経験を話し、またそれを否定されず聞いてもらったときの何ともいえない解放感と安堵感を今でも覚えています。
「step」は立ち上げたメンバーを中心に参加者自身が、手分けをしてメールの返信、会合の司会などを担当していました。もちろん全員、当事者です。
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