連載「決まり文句の研究」vol.10
不登校やひきこもりの相談員、スクールカウンセラー、精神科医のなかには「まずはお子さんには、規則正しい生活をさせて」と親に指示する方が少なからずいるようです。
親とすれば、そう指示されると、「たしかに生活リズムを正さなければ、本人は何もできない」という気持ちになります。また、規則正しい生活ができれば心も体も調子がよくなりますし、行動する意欲もわいてくるでしょう。
しかし、「まず生活が規則正しくなり、そのおかげでほかの課題をクリアしていった」という話を私はほとんど聞きません。
「規則正しい生活をさせるよう指示されたので本人にやらせようとしたけど一向に改善しない」とか「生活リズムが乱れたまま趣味の集まりに行ってしまった」という話ならば数多く聞いてきました。後者の場合、生活リズムを直すことより趣味の集まりに行くことのほうが少ないエネルギーで、できる行動だった、と考えられます。
読者コメント
匿名
一般公開 不登校でも、年齢によって違うように思います。 成長期の低...