連載「仮説なんですが…」vol.25
他者の視点を欠いた利己的行為は、結局は自分の利益を損なうことになる。
仮説というよりもあたり前の事実かもしれないが、そのあたり前のことをあらためて噛み締めておかなければならないような事態が、あらゆるところで起きている。
たとえば、歪んだ権力者が、みずからへの批判を封殺しようとしてメディアや言論への統制や監視を強めたり、自らの不正に関する記録を隠ぺい・改ざんしたりすれば、それは結局はその権力者が掲げる(しばしばまちがった)政策などの修正や改善をも麻痺させることになり、その権力者が君臨している集団ごと衰退したり破綻したりすることになる。
たとえば、利益を最大化したい経営者が、労働者を安く使い倒そうとすれば、結局は疲れ切った労働者によって製品やサービスの質は低下する。あるいは、法やルールをすり抜けて、品質を偽った製品やサービスを市場に出せば、結局は信用を失って、収益は低下する。
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