不登校新聞

536号 2020/8/15

家族や学校から孤立していた私が「生きづらさ」の先に見えた世界

2020年08月18日 11:17 by kito-shin
2020年08月18日 11:17 by kito-shin

 社会人2年目でひきこもりになり、現在ひきこもり当事者が発信するメディア『ひきポス』で記事を執筆しているゆりなさん(26歳)。過干渉な母との関係やいじめの経験で苦しんできたゆりなさんに、ひきこもりの経緯や生きづらさと向き合った過程について話をうかがった。

* * *

――ゆりなさんはひきこもり経験はあるものの、不登校したことはないんですね。

 不登校経験は一度もありません。現役で大学まで進学し、栄養士と臨床検査技師の資格を取り、健診会社に就職しました。ひきこもりを経験したのは社会人2年目の年明けです。

 ひきこもりになるまでの経歴をお伝えすると、順風満帆なように聞こえるかもしれませんが、子どものころからずっと生きづらさを感じていました。

 「私には生きている価値なんてない」と、自己否定をし続けて生きてきたんです。 

――自己否定の背景には、何があったのでしょうか?

 家族との関係、とくに母の影響が大きかったです。わが家は4人家族で、公務員の父に専業主婦の母、5歳上の姉と私という、世間一般から見れば「ふつう」の家庭で育ちました。

 ただ、父は仕事ばかりで子育てには無関心。姉は歳が離れていたこともあって会話も少なく、私はいつも母と行動をともにしていました。

 母はつねに世間体を気にする人で、大の世話好き。人前に出るときは「足を閉じて座りなさい」、「お行儀よくしてなさい」と強く言われ、いつも品良く接するようしつけられました。

 幼いころは母の価値観が絶対に正しいと思っていたし、世話を焼いてくれることは私を大切にしてくれている証だと思っていたので、母の言うことはなんでも疑わずに受けいれていました。

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