統計開始以来、初めて高校生不登校増
2月6日、文科省は学校基本調査、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(確定版)を発表した。震災の影響で昨年夏に発表されたデータには東北三県のデータが含まれていなかった。調査によると、昨年度の長期欠席者数(年間30日以上)は18万2674人(3304人減)。このうち不登校は12万125人(2555人減/3年連続減)だった。一方、高校生不登校は5万5707人(3979人増)と調査開始以来はじめて増加に転じた。いじめも増加しており7万7630件(4852件増)。5年ぶりの増加となった。
不登校の内訳は、小学校2万2463人(136人増)、中学校9万7255人(2668人減)、中等教育173人(9人減)、特別支援学校234人(14人増)であった。高校生の長期欠席児童者数は8万7694人(3356人増)、高校中退者は5万5415人(1532人減/4年連続減)。高校生の不登校は5万5707人(3979人増)。
不登校の減少理由について文科省は「今年の減少によって減少傾向に転じたとは見ていない、依然として高止まりを続けている」とコメント。
一方、高校無償化とともに増加に転じた高校生不登校については「初めて増加に転じ憂慮すべき事態、ただし高校無償化と直接的な因果関係があるかはわかっていない」と話した。
いじめ認知件数7万7630件の内訳は、小学校3万6909件、中学校3万3323件、高校7018件、特別支援学校380件。06年以来、5年ぶりに増加に転じたことについて文科省は「アンケートによる実態調査を全校にお願いした結果などによって顕在化した結果ではないか」と説明した。
過去25年間、ほぼ毎年のように過去最高を記録してきた大学進学率は、今年、やや減少した。現役大学・短大進学率53・9%(0・4ポイント減/8年ぶりに減)、大学・短大・専門学校進学率79・7(0・2ポイント減/6年ぶりに減)。
就職率をみると、大学卒業者の就職率が61・6%(0.8ポイント増)、高校卒業者の就職率が16・3%(0・6ポイント増)で、どちらも2年連続で増加。一方、高校卒業者と大学卒業者のうち、進学も就職もしていない「ニート層」になった人は14万4972人(1905人減)。3年ぶりに減少した。
一方、発達障害などの子が通う特別支援学級の児童生徒数は17万4881(1万9626人増)。特殊学級時代を含めると17年連続で増加した。特別支援学校の児童生徒数は12万6123(4308人増)でこちらも過去最多を更新した。
調査結果の概要
■不登校
小学校 2万2463人(136人増)
中学校 9万7255人(2668人減)
中等教育 173人(9人減)
特別支援 234人(14人増)
高校生 5万5707人(3979人増)
計 17万5832人(1424人増)
■就職率
大卒者 61.6%(0.8ポイント増)
高卒者 16.3% (0.6ポイント増)
■いじめ認知件数
小学校 3万6909件(2143件増)
中学校 3万3323件(1212件増)
高校 7018件(1376件増)
特別 380件(121件増)
計 7万7630件(4852件増)
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