不登校新聞

367号(2013.8.1)

第14回「薬が自分そのものになっていた」

2014年02月13日 15:48 by kito-shin


◎連載「ひきこもるキモチ」

 ひきこもり生活が始まり、夜も眠れず朝も起きられない日々が続いた。そして睡眠導入剤と抗うつ剤の量を増やした。冷静に考えれば、それは生活のリズムが崩れて昼間寝ているから夜眠れないのだが、そのことを考えるのを拒絶するかのように、その発想が頭になかった。さらに毎日規則正しく服薬できていないので、机の上が薬で山盛りなるほどあまる。いやなことがあって心底へこむと、それをたまに酒といっしょに大量に服薬した(オーバードーズ)。危険な行為だが、酩酊状態となり何も考えられなくなる瞬間を当時は求めずにいられなかった。
 
 数年もすれば服薬していることが当たり前になる。服薬しなければ、さらに病状が悪化すると思い、向精神薬の存在は食事と同等の"必需品”だと思い込んでいた。本来は薬を飲んでいるのはふつうではないなんて、忘却されていた。薬があってようやくふつうにふるまえるという錯覚。糖尿病の患者にインスリンが不可欠なように、向精神薬がなければ生きていけないと思っていた。
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