不登校新聞

486号 2018/7/15

全員歓迎のハイテンションが通いづらさを生む説

2018年07月13日 17:36 by kito-shin
2018年07月13日 17:36 by kito-shin



連載「仮説なんですが…」vol.23

 「誰もが来られる居場所」が苦手だ。集団が苦手というのもあるが、「誰もが来られる居場所」のなかで自然に形成されることがある高いテンションのグループが苦手なのだ。別に同じテンションですごすことを強要されるわけではない。しかしハイテンションなグループが近くにいるなかで、ひっそりとそこに居続けることは独特のしんどさがある。

 地域の「子ども食堂」に参加したことがある。場を切り盛りしているハイテンションなおばさんたちや会場を駆けまわる子どもたち。そして子どもたちと取っ組み合いながら遊ぶおじさん。客観的に見れば微笑ましい光景であり、おそらくその「ハイテンション」が必要なのかもしれない。しかし、そのテンションに同調することは自分にとってそうとうな負担だ。自分と同じような心持ちの人は、それを察して、そもそも来ないのではないだろうか。ここに「誰もが来られる居場所」に来られない人がいる、という不思議な現象が起きる。わたしも最近は行っていない。

 高いテンションは場を支配する。

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