不登校新聞

515号 2019/10/1

入園後の慣らし保育、変化していった息子のようす

2019年09月27日 13:00 by shiko



連載「わが家が目指したのはHSCの安心基地」vol.4.1


 前号『HSCの安心基地』では、編集部の不手際により、掲載すべき第5話ではなく、第6話が掲載されてしまいました。正しい第5話は、下記のとおりです。謹んでお詫びいたします。

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 入園式を終え、初登園の朝を迎えました。

 幼稚園に慣れるまでは、親子通園することと、どんなニーズにも対応する約束です。

 1週間は慣らし期間。お昼ごはんは食べずに12時に終了です。

 まずは、登園から降園までの流れに園児たちが慣れるための期間なので、先生が何でも教えてくれるし手伝ってもくれます。

 おたより帳のカレンダーに好きなシールを貼って出すことがわかると、たけるは大好きなシールが選べることにワクワクして、私に報告しにきます。

 でも、お着替え、集合などの時まで私の所に走ってきます。

 しかも、膝に座ろうとします。

 さすがにそれは、と思って止めると怒り顔に。「どんなニーズにも対応する」という約束が頭をよぎります。

 家に帰ったあと、たけるの「本音」と「ニーズ」を確認しました。



 幼稚園は、「ママと一緒だから楽しい」とのこと。

 私の所に来ることについては「集合が嫌」「泣きそうになる」。あと、お着替えは「恥ずかしい」とのこと。

 「恥ずかしい」いう感情を否定することは避けたいので、大事にしようと思いました。

 「あと、人がたくさんいると泣きそうになる」とも教えてくれました。

 複数のお友達との関わりに圧倒されるようで、そんな時は母親の膝に乗って充電すると元気が戻って頑張れるのだということがわかりました。

 そこで、その時は場所を変えて充電しようと話し合いました。

 HSCという概念を知っていたら納得できることばかりですが、まだ知らなかった当時は、ただただ本人の感覚を信じることに軸を置いて尊重し、ニーズに対応する方法を見つけることに一生懸命でした。

 そして、担任の先生や園長先生に面談を申し出て、たけると話したことを紙に書いて渡すことにしました。

 先生も園長先生も寛容に受け止めてくださいました。



 こんな時、たけるはそれぞれの言葉や反応、表情をじっと観察して、そこから様々な情報を深く読み取っています。

 面談を終え、安心感が得られたからか、翌日からすぐに変化が見られました。

 わからないことを自分で先生に聞き、お友達との関わりも、ママ経由ではなく、自分で話しかけてみるようになったのです。

 とても敏感で繊細な子が集団生活への移行で不安な時、どのような点に注目してサポートしてあげられたら安心か。息子の立場に立って、間近で観て感じ取りながら、後に知るHSCの気質に合った子育てを模索していっていたのだなと思います。(文・絵 斎藤暁子)

■著者略歴/(さいとう・あきこ)『HSC子育てラボ』代表。心理カウンセラー。息子たける(9歳)と精神科医の夫は、ともに敏感・繊細気質。著書に『HSCを守りたい』(風鳴舎)など。HSCとは/「Highly Sensitive Child」の頭文字を取った「HSC」は、心理学者エレイン・N・アーロン氏により提唱された概念。「ひといちばい敏感な子」などと訳されている。HSCは障害や病気の名前ではなく、生まれもっての気質。

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