
8月3日、「刑事裁判」に市民が参加する「裁判員制度」が導入されて初となる公判が東京地裁にて行なわれた。これまで子ども・若者編集会議でも「裁判員制度ってなんだ」「死刑は必要か」など、しばしば議題に挙がってきた。しかし、そもそも「裁判」とはどのようなものなのか。そこで、子ども・若者編集部では「刑事裁判」について調べるとともに、東京地裁に行き、実際の「刑事裁判」を傍聴してきた。
「裁判」が行なわれる裁判所は、東京にある「最高裁判所」、そして東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松の全国8カ所にある「高等裁判所」、全国各地の政令指定都市および北海道の函館市、旭川市、釧路市の計50カ所に設置されている「地方裁判所」ならびに「家庭裁判所」、さらに全国に400カ所以上ある「簡易裁判所」という5種類の裁判所にて行なわれています。
そして「裁判」と一口に言っても、大きくわけて日本では「刑事裁判」と「民事裁判」という2つのかたちがあります。今回、子ども・若者編集部では「刑事裁判」の傍聴体験を踏まえ、「刑事裁判」がどのように進められているのかについて、調べてみました。
まず、「刑事裁判」とは「刑法」という法律をもとに、罪を犯した疑いのある人が有罪か無罪かを判断し、有罪の場合にはどういう刑罰を課すことが適切かを決める裁判のことです。では、実際に罪を犯した場合、どのような過程を経て、「刑事裁判」へとつながっていくのか。具体例をもとに考えていきたいと思います。
たとえば、Aさんという人が他人の物を盗む「窃盗」という罪を犯し、「警察」に逮捕されたとします。Aさんは「警察」で取り調べを受けた後、その身柄を「検察」に送られます。「検察」では「警察」の取り調べにより作成された書類(供述調書)をもとに、Aさんを「刑事裁判」にかけるか否かを判断します。「刑事裁判」にかけることを「起訴」と呼び、証拠が不十分などの理由で「刑事裁判」にかけないことを「不起訴」と呼びます。ドラマ「HERO」でキムタクが演じていたのが、この「検察官」の役です。
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