不登校新聞

402号 2015/1/15

発達障害の息子と歩んだ16年「告知のタイミング」

2015年01月14日 16:31 by koguma
2015年01月14日 16:31 by koguma


連載「発達障害の息子と歩んだ16年」vol.3


――今回から「告知」ついてうかがいます。お子さんの聡汰くんへの「告知」について、きっかけなどは何かあったのでしょうか?
  そうですね……なんで告知できたのかと言えば、今日、持ってきたこのファイルですが、これをある日、聡汰が見つけて読んじゃったかもしれない、と思うことがありました。
 
 自分というものに興味を持ち始めたんでしょうね。でも、聡汰にハンデがあると知ってからは、かならず隠さずいつか話そうと思っていたので出生からの育児日記、相談機関とのやり取り、病院で診察を受けたときのメモや発達障害の講習会での資料とかも全部ファイリングしていました。それを見つけて読んだのかな、ということもあって。
 
 またある日、心臓病の幼い女の子が取材されたテレビを観ていたとき、おもむろに「お母さん、本当のことを話してよ、僕はわかってんだよ。だから本当のことが知りたい」って。
 
 「本当のこと?」と言ったら「僕、フツーの子じゃないんでしょ? なんで平岩先生に診てもらってるの?」って。「来たー!」って思いました。「フツーってなんだろ? 聡汰はさ、平岩先生と話すと困っていたことが軽くなったり、わからないことが解決したり、夢が見つかったり応援してもらえて元気になれたりするでしょ? この子は心臓病を抱えてこうしているよね。でもたとえば世の中には視力の弱い人は眼鏡をかけたりしなければいけない人もいる。お母さんはそれといっしょだと思うよ」と話したんですが、痛感したんです。聡汰のなかで「自分は何者か」という思いが芽生え始めているんだなって。
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