不登校を考える会「かめの会」、「虹の会」、不登校子どもの会「星のうさぎ」、ホームエデュケーション・ネットワーク山口「おうち大好き」についてお話を聞きました。 (名古屋支局)

西村秀明さん(山口県精神保健福祉センター臨床心理士)
  センターでは昔から不登校の相談はあり、当時は手さぐりで、文献にも母子や家庭環境の問題というのが多く、正直言って「そういうことなのか」と思ってしまったのです。面接する子どもの数が増えて、おもしろいことをやろうとキャンプを企画したら、来たのが一人。半年後にもう一度とびっきりおもしろいことをと企画したら、なんと二倍来た。二人なんです(笑)。

 面接でいい関係と思っていたけれど、違うんじゃないかと反省。教科書を捨てて当事者から学ぶフィールドをもとうと、一〇年前にグループを作り、会の名前をつけるとき、誰かがウサギを連れて来て、「星のウサギ」になりました。そのグループで、面接とは違う子どもの「地声」が聴けたのです。それにまず驚く経験のなかで、学校との関係性にさまざまな問題が起こっていることを子どもに教えられました。

  子どもグループの前に、親の自助グループ「思春期親の会」を作り、現在の「かめの会」になり、山口県内六カ所の親の会ネットワークができ、県教育委員会と懇談、大日本製薬ポスター問題にも取り組みました。

  長いスパンで子どもの変化を見ると、本当に信頼をもって見守ることができると実感します。自己認識が社会のなかで歪められる問題がある。しかし「いまのこの自分でいいんだ」と思えたとき展開が始まることも子どもから学びました。

村長陽子さん(山口県精神保健センターソーシャルワーカー)
  星のウサギで三年。新しく「猫のつばさ」もできました。学歴社会のレールに沿ってきたので、学校に行かない生き方をしている子との出会いは衝撃的で、私の転機になりました。最近は年令の低い子が増えています。バスケットやバドミントンなど、自分のやりたいことを、やりたいだけの時間できる感じで、一緒に遊ばせてもらっています。

小嶋容子さん(山口県精神保健福祉センター臨床心理士)
 子どもの会は、地域も限定され、そこに来る子しかつながりを持てない。家にいても子どもは育つ。そのことを深めあうつながりをと、昨年一〇月ホームエデュケーションのゆるやかなネットワーク「おうち大好き」を始めました。家のなかで楽しく育つをテーマに年一回全体会、年四回機関誌発行。子どもも原稿を出してくれます。九州、広島も含め二〇家族位。子どもは学校に行っているが、考え方に賛同して参加する人もいます。

かめの会
 沖田さん 会員は六五名位。月三回の例会。自分の考えを押しつけず、話を共有する会でありたい。

 渡辺さん  例会で、自分を語ることで問題が整理されて行く感じ。人のためにしてあげるではなく、自分が楽しめる会であることを大切にしたい。年一回は講演会をして、学校関係者も参加されます。

  浜田さん 子どもが不登校になったとき、どうなるんだろうと不安になった。でも、日々の子どもとのかかわりのなかで、自然にこの子は大丈夫とわかってきて、いまでは子どもに励まされています。

 伊藤さん 私にとって例会は、最初、なぜ皆好き勝手なことばかり言えるのと思ったが、話していると気持ちが落ち着いてくる、自分らしくなれる場です。

 Sさん  私がここで最も新しい会員。子を学校へ戻すため解決を求めて参加したが、すぐに崩れて(笑)、アドバイスより、ただ苦しみにうなづき、共感してくれる、気持ちが楽になることが大切、子どもも同じだと気づきました。

虹の会
 木村さん 会員は七一名。毎月第一、第三土曜日午後が例会。毎週木曜日午前一〇時から午後六時まで子どもの居場所を開いています。学校に行かなくてもいいと心から言えるまで時間がかかりましたが、私自身、子どもによって心が豊かに育てられたと感謝しています。子どもNGOを作りたい。

問い合わせ・山口県精神保健福祉センター
電話・〇八三六ー五八ー三四八〇
ファクス・〇八三六ー五八ー四四五七

(注1)
 大日本製薬ポスター問題
 製薬会社が、低血圧が不登校や出社拒否の原因になっている場合があるとして、怠け者・落ちこぼれの文字とイラスト入りのポスターを出し、抗議を受けて謝罪・回収した。

(注2)
 子どもNGOは今年四月発足。連絡先「子どもNGO」主宰木村明子(電話〇八三二-四六-二七四八)