
連載「渡辺位さんの言葉」
今思えば、恥ずかしい話なのですが、子どもを元の元気な息子に早く戻したいと思って、参加したのが渡辺位先生と奥地さんが主宰する「親ゼミ」でした。
学校以外のルートを考えることができず、登校を促した結果、息子はみるみる元気を失い、家庭内暴力を起こし、強迫的な行動も出てきました。
長いシャワー、物へのこだわり、そのうえ、まったく外へ出られなくなりました。休ませることなく、強引に社会に合わせようとして、子どもを追い詰めてしまったのです。
そんなときに親の会で渡辺位先生の本を知りました。子どもの状態がどんどん悪化していくことを目の当たりにした私は、ぜひとも先生のお話を直接聞きたかったのです。
参加し始めたころは、先生のお話の意味がわかりませんでした。私は、早く息子を楽にしてあげたくて息子を変える方法を学びたかったからです。そんな私に、渡辺先生の深いお話が浸み込むはずがありません。
「心は場にある」ということを、先生はおっしゃっていました。場とは、なんでしょう。心は、誰の心でしょう。意味がわかりません。当時の私は、息子の症状にふりまわされ、一喜一憂の日々でした。
あるとき、渡辺先生が、おっしゃいました。
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