連載「不登校の歴史」


 2010年当時、そして今も、医療と不登校をめぐって具体的にどんな状況があったか。
 
 薬の多剤、多量投与。80年代、90年代には考えられない種類と量を子どもは服用させられるようになった。もちろん、どの時代も医者によって異なるというのはある。だから、おおまかな傾向を言っているのだが、背景には専門家依存の保護者・一般社会の動きと医療産業、とくに製薬会社の進出と両面からこの傾向が加速された、と感じた。
 
 子どもや親は苦しかったり、不安だったりすると楽になりたくて医療機関に行く。スクールカウンセラーや学校、親せきからも、少しおかしいと思われると「医者に行けば」「受診してください」と言われると、そうしないといけない状態なんだと感じ、子どもを説得して病院へ連れて行く。
 
 眠れない、不安です、イライラします、気持ち悪い、頭痛が続きます、朝なかなか起きられない、やる気が出ません、人が恐いです、外に出られません、手洗いが止まりません、お風呂が長いです、買い物依存症じゃないかと思います、食べ吐きをくり返しています、などなど、何かを訴えるたびに薬が増える状況があった。
 
 しかも「医者はパソコンを向いたままで5分で終わりなんだ、もっと話を聞いてほしかったのに」という話もたびたび聞くようになった。薬の副作用も当然出て、それを訴えるとまた薬が増えるありさまだった。


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