不登校新聞

464号 2017/8/15

ひきこもって一番つらかったことは…

2017年08月10日 16:29 by kito-shin



連載「あのとき、答えられなかった質問」vol.14

「ひきこもってつらかったことは何ですか?」と聞かれれば、「何者でもないという不安を感じたこと」だと答えます。

 私が最初にひきこもった25年ほど前、まだ「ひきこもり」という言葉は一般的にほとんど使われていませんでした。また、母に精神科や心療内科に連れて行かれたときも、どの先生からも「ひきこもり」という言葉は出ませんでした。

 先生も明確な診断をくだせず、親はもちろん私自身も自分の状態をうまく説明できない状況でした。今なら専門家はもちろん、「ひきこもり」という言葉だけなら近所の八百屋のおばちゃんも聞いたことがあるほど、この言葉は定着しました。

アイデンティティの危機

 日本人が日本人であること、また会社員が会社員であることは、あまりにも当たり前でふだん意識することはほとんどありません。しかし海外へ行ったり、失業したりすれば日本人であることや会社員であることを意識します。つまり自分が何者であるかということは、学生や会社員という「肩書き」がなくなると急に意識され不安になります。

 これはいわゆる「アイデンティティ(自我)の危機」と呼べるものですが、ふだん意識されないだけにどれだけ不安な体験かということがなかなか理解してもらえません。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

“脱ひきこもり”のきっかけは? 経験者の回答

470号 2017/11/15

ひきこもったこと、後悔してる? 経験者の回答は

469号 2017/11/1

ひきこもりの必読書~ひきこもり経験者厳選の3冊

468号 2017/10/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

471号 2017/12/1

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(著...

470号 2017/11/15

性的少数者であることで学校に居づらくなり、不登校になる子どももいる。少数者...

469号 2017/11/1

わが家の息子たちは、もう「不登校」ではありませんが、不登校が「終わった」「...