不登校新聞

476号 2018/2/15

不登校の僕が望んだのは「理由を聞くこと」ではありません【不登校経験者に聞く】

2018年02月14日 12:07 by koguma



 2018年1月21日、千葉県習志野市にてシンポジウム「公開親サロン~みんなで考えよう! 不登校」(主催・ネモネット)が開催された。経験者、親、支援者の三者の立場から不登校をどう考えるかについて語られた。今回は経験者の講演抄録を掲載する。

 僕は中学1年生のときにいじめにあい、不登校になりました。同級生に小突かれたり、からかわれたりすることが多かったんですが、それがいじめであるとは考えていませんでした。その事実を自分で認めるということは、このうえなくみじめな気持ちになるからです。

 ある日、野球部の朝練が終わって教室に戻ると、僕の机にチョークの粉がまかれていました。それを見て、もう自分でもごまかせなくなりました。「あぁ、僕はいじめられているんだ」と認めざるを得なくなって。それを機に学校に行かなくなりました。

 ただ、救われたこともあったんです。チョークがまかれた僕の机を見て、隣の席の女の子が「誰だ、こんなことをしたのは」と、すごい剣幕で怒ってくれたんです。僕のしんどい気持ちに共感してくれる人もいると気づけたことで、ちょっとだけ気持ちが楽になりました。

不登校の“看板”

 学校に行かなくなり、まずは行政がやっている適応指導教室に通いました。

 それ自体は悪くなかったんですが、場所が小学校の一室に設けられていたんです。中学生の僕が小学校の敷地内に入るわけですから、いやでも目立ってしまいます。しかも、身分証明として、適応指導教室の関係者であることを示す札を身につけなければいけない。「私は不登校です」っていう看板を頭から下げて歩けと言われているようなもので、これは無理だなって思いましたね。その後は知人の紹介で、フリースペースなどの民間がやっている学校外の居場所に通うようになりました。アルバイトしたりしながら、現在は「ネモネット」の理事として活動しています。

断っているのに

 不登校だったときの気持ちということで言えば、僕の場合、自分の気持ちを汲んでくれなかったということだけは、はっきりおぼえているんです。イヤだと何度も言っているのに、家庭訪問に来た担任と会うように親が促してきたときは、とてもつらかったです。

 また、担任も「お前、いじめられているんじゃないか」としょっちゅう聞いてくるんですが、それって結局は原因探しなんです。「なぜそうなるのか」とか「何がいけなかったのか」ということの前に、僕が今感じているつらさを汲み取ってほしかった。だからこそ、隣の席の子が憤ってくれたことは、あのときの僕にとって、何よりもうれしかったんじゃないかなって思います。不登校の子どもに寄りそうとき、まず大事なのは原因探しではなく、子どもの今の気持ちに共感するということなんだろうと、僕の不登校経験を通じて思います。(抄録)

■「ネモちば不登校・ひきこもりネットワーク(ネモネット)」ってどんな団体?

 不登校やひきこもりの経験のある当事者(本人)たちと、自分の子どもが不登校やひきこもり経験のある親たちが共に立ち上げた「特定非営利活動法人(NPO法人)」です。2004年4月に千葉県より承認を受けました。親の相談会、電話相談、子どもの居場所運営、通信による情報の発信などさまざまな形で活動しています。千葉県内の「親の会(相談場所)」や「フリースペース・フリースクール」等とネットワークし、各地の会を紹介する活動も行っています。

住所:〒275-0012千葉県習志野市本大久保3-8-14-401
電話:047-411-5159(受付時間:月・木・金・土の10時~17時)

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