◎内閣府平成26年度版「自殺対策白書」より

 内閣府が過去40年間の累計日別自殺者数を独自集計し、18歳以下の子どもの自殺は、4月や9月など「長期の休み明け」に突出していたことを平成26年度版『自殺対策白書』で明らかにした。これまで自殺者数は、月別、年次などに区切って出されていたため「日別」で発表されたのは初めてのこと。また、18歳以下にかぎって集計されたのも初めてだった。
 
 9月1日は夏休み明け、2学期初日が全国的に重なる日だ。不登校経験者の女性(20歳)は「夏休み明けの9月1日は何度も死にたいと思った日、1学期からのいじめがまた続くかと思うと怖くてたまらなかった」と話す。親の会やフリースクール関係者などからは子どもの自殺が「休み明け」に集中していたことを以前から指摘。本紙も、97年8月31日の中学生による焼身自殺、体育館放火事件を機に創刊した。

 公表に際して内閣府は、子どもの自殺対策として相談業務拡大や講演会の実施などを挙げたが、これらはすでに行なわれている取り組み。今回の結果を受けての新たな対策はなかった。
 

苦しさの予兆 見えない?

 
 また内閣府は、子どもの自殺は遺書などが少なく「予兆がないことが多い」とも指摘。しかし、不登校の親の会のネットワーク団体「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」事務局長・野村芳美さんは「予兆は見える」と話す。体の不調を訴える、親から離れなくなるなど、直接「死にたい」と明言しなくとも「心が苦しい状態の予兆は見える」と言う。
 
 親の相談先は、登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク(℡03・3906・5614)、子どもの相談先は、「チャイルドライン」(℡0120・99・7777)まで。(石井志昂)

休み明けの自殺急増は現場の実感、子どもからのサインは?




◎心理カウンセラー・内田良子さんの話

 「休み明けの自殺」が多いのは現場の実感です。子どもの不登校の相談に乗って40年、つねに危機感を抱いてきました。とくに9月1日、夏休み明けは親が気を付ける日です。1学期、登校しぶりのあった子が「宿題ができていない」、「身体の具合が悪い」と訴えたら赤信号です。

 休ませる勇気こそ、親の愛情表現です。いじめや孤立で学校に居場所のない子どもは追い詰められれば自ら命を絶ちます。不安になったら「不登校の子どもの権利宣言」を子どもといっしょに読んでください。不登校の子どもたちがつくったものです。「私たちには安心して休む権利がある」とあります。不登校ができた子どもは命を絶たずにすむのです。

 
※本記事は2015年8月1日『不登校新聞』にて掲載された報道記事です。