いじめた子を出席停止にするだけではなく、体罰の範囲の見直しを提言するなど、教育再生会議のメンバーたちはこの国では「子どもの権利条約」が批准されていることなど、知らないのであろうか。論議は情緒的で、いじめ問題の解決には、とうてい、つながるようには思えない。
いじめが容認できないから、いじめた子に対して厳しい態度で臨むという考え方は、非情にシンプルでわかりやすい。しかし、わかりやすいということと、いじめ問題の軽減に有効な対応であるということは、まったく別の問題である。そもそも、いじめの構造は、"いじめる"、"いじめられる" と二項対立式にとらえられるほど単純ではなく、もっと複雑な要素が入り組んでいる。
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