
昨年11月以降、いじめを訴えて命を断つ子どもの報道が相次いだ。マスコミが大きく報道し、全国的にいつでも、どこでも起こる可能性のあるいじめに起因した自殺を理解しようとする世論が広がった。理由を語らず不登校をし、閉じこもっていた子どもたちや若者たちが「じつは耐え難いいじめを受けていた」と語り始めた。「登校を拒否し、家を居場所にできたから命を断たずにすんだ」「親が受けいれてくれなかったら、自分は生きていなかったと思う」と子どもたちは語る。社会の理解が進むほどに、家庭の空気が和らぎ、子どもたちは心につくろった固い沈黙の衣をぬき始める、北風と太陽の物語のように。
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