2006年8月27日夜、稚内市で当時15歳高校1年生の少年が、当時16歳高校1年生の友人から自分の母親を殺害してほしいと依頼され、その母親(病院職員・当時46歳)を自宅で牛刀で頸部や胸部を数回刺して殺害した事件で、旭川家裁は2007年1月25日、少年2人に中等少年院送致、4年程度の相当長期の処遇勧告の決定をした。
決定要旨によると、被害者の長男は、強固な殺意をもって殺害方法などを計画。中学時代の同級生である共犯者の友人に「殺し屋組織から依頼があった」とウソを言って、報酬も提示して殺害を実行させた。背景には、両親が離婚の際に少年に説明もせず、心情に配慮しなかったため、少年は不満を募らせ、自分の感情を適切に伝えることもできずに深い孤独感に悩まされていたという事情がある。少年にのみ責任を負わせるのは相当でないとしたうえ、少年は非行の前歴はないが、人を信頼する能力、自己の感情を適切に表現する能力、現実に適切に対処する能力の発達を阻害されており、年齢も考慮すると、少年院の教育的指導訓練により改善、更生する可能性が認められるとした。
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